インプラント治療

インプラント

インプラントとは、歯を失ったところにインプラント(人工の歯根)を埋め込み、これを支えにして人工の歯を取り付け、噛めるようにする方法です。現在のインプラント(チタン製)は、生体との親和性が高く、骨と強固に結合するため、成功率は非常に高くなっています

以前は、歯を失うとブリッジや入れ歯によって治すのが主流でした。お口の状態によってはブリッジや入れ歯が望ましい場合もありますが、どうしても周りの歯を削ったり、維持をもとめたりしなければならないので、周りの健康な歯に負担をかけてしまい、それがあとになって問題になることもありました。

インプラントは、周りの歯に負担をかけることなく歯をつくる方法としてとても有用な治療法です。そのため、現在ではインプラント治療を第一選択として希望される方が多くなっています

当院で使用しているインプラントシステム

当院では、スウェーデンで開発された
ASTRA TECH IMPLANT
を採用しています。

それは、国際的なメーカーであるアストラゼネカグループのアストラテック社が、世界中の歯周病専門医、口腔外科医、補綴専門医および歯科技工士の協力を得て開発したインプラントであり、現在も各国の大学病院等で研究され続けている信頼性の高い製品であるからです。

また、日本で使用されているインプラントは30種類ほどあり、数年で市場から撤退してしまうメーカーも出てきている中で、アストラテックインプラントは世界3大インプラントメーカーの1つであり、10年20年後においても存続し、インプラントの品質管理やパーツの供給ができるという安心感もあります。

歯を失った際の治療法の比較

歯を失ってしまった場合、「インプラント」「入れ歯」「ブリッジ」「歯の移植」といった治療法があります。どの治療法にも利点・欠点がありますので、十分に理解した上で選択する必要があります。

  画像 メリット デメリット
インプラント インプラント
  • 健康な歯を削る必要がない
  • 周りの歯に負担をかけない
  • 違和感がなく、噛む力や食感は天然歯に近い
  • 天然の歯のような見た目を再現できる
  • 成功率が高い(下顎で95~98%、上顎で90~95%前後)
  • 外科手術が必要になる
  • 自費治療のため治療費がかかる
  • 治療期間が長くなることがある
  • 全身状態や骨の状態によっては難しいことがある
ブリッジ ブリッジ
  • 固定されているため違和感が少ない
  • 噛む力が落ちない
  • 比較的早く治療ができる
  • 材料を選ばなければ保険治療でできる
  • 材料の選択によっては、天然の歯と遜色なく被せることができる
  • 支えになる両隣の歯を削る必要がある
  • 支えになる歯に噛む力の負担が増える
  • ブラッシングが難しくなることがある
入れ歯 入れ歯
  • 取り外して手入れができる
  • 比較的早く治療ができる
  • 材料を選ばなければ保険治療でできる
  • 歯をあまり削らなくてすむ
  • クラスプをかける歯に負担がかかる
  • 外れやすいことがあり、違和感が大きい
  • 入れ歯が歯肉に当たって痛いことがある
  • 噛む力が弱くなる(健康な状態の20~30%ぐらいになる)
  • クラスプが見えて見た目が悪くなることがある
  • 患者さんの年齢によっては、「入れ歯=お年寄り」という、メンタルな面での負担がある
歯の移植 歯の移植
  • 健康な歯を削る必要がない
  • 天然歯のため、インプラントにはない歯根膜が存在する
  • インプラントより費用がかからない
  • 矯正治療が可能で、自然移動もする
  • 隣接する天然歯と連結もできる
  • 健康な移植歯と健康な受容部が必要
  • 歯の形態や患者さんの年齢等様々な条件がある
  • インプラントより生存率が低い場合がある

インプラント治療の流れ

問診と診査

患者さんに、お体の状態やインプラント治療に対する疑問や要望などお聞きします。その後、現在のお口の中の状況を拝見させていただき、レントゲンやCT、歯型などをとらせて頂きます。

そして、検査結果に基づいて、より詳しいインプラントの治療計画をご説明し、納得していただいた上で治療を進めていきます。治療期間や費用など、ご希望があれば何なりとおっしゃってください。

術前の治療・準備

インプラントを埋入する前に、必要に応じて歯周病や虫歯の治療を行います。また、治療が完了するまでの間に使用する仮歯を作製することもあります。

しっかり準備を行うことで、その後に行うインプラント治療の結果が変わってきますので、とても重要です。

1次手術

歯肉を切開してインプラントを埋入します。通常、虫歯治療の時と同じ局所麻酔で行いますが痛みはありません。インプラントを埋入したら、歯肉を縫合してインプラントと骨が結合(オステオインテグレーション)するのを待ちます。 待機期間は部位・術式・インプラントの種類などにより異なりますが、通常は3~6ヵ月です。

2次手術

インプラントと骨がしっかり結合したら、歯肉を再び切開し、人工の歯を取り付けるための土台を連結し、インプラントの頭部を歯肉から露出させます。歯肉の形態を整えたり、噛み合わせの経過をみる必要がある場合は仮歯を装着します。

型取り・上部構造物の作製

歯肉が落ち着いたら型取りを行い、インプラントに装着する上部構造物の作製を行います。噛み合わせや色調、清掃性などが問題なければ治療完了です。

メインテナンス

インプラントを長持ちさせるためには、プロによるメインテナンスが重要です。毎日のホームケアに加え、数ヵ月に一度のプロフェッショナルケアや噛み合わせのチェックを受けましょう。

当院のインプラント治療への取り組み

インプラント治療は外科処置を伴う治療ですので、不安を覚える患者さんも多いかと思います。私達は、安心して治療を受けていただけるよう、様々なことに取り組んでおります。

3次元による精密な診断【歯科用CTの導入】

通常のレントゲン写真では、お口の中を平面でしか捉えることができませんが、CTでは立体的に捉えることができます。インプラントを埋入する際には、顎の骨の形態や神経の走行などを詳細に把握する必要がありますので、CTによる3次元的な診断は不可欠です。
院内で撮影が可能なため、手術中に状況を確認することもでき、安全に処置を進めることができます。

CTをより詳しく知る

安全で正確な手術の実施【コンピューターシミュレーション・ガイデットサージェリーの導入】

インプラント手術を支援する包括的なシステム「SIMPLANT」を導入しております。CTで撮影した3次元画像を用いて、専用ソフトによりコンピューター上でインプラントの埋入シミュレーションを行います。そして、その計画通りにインプラントが埋入できるように、インプラントドリルが合うチューブが組み込まれた「サージカルガイド」という装置を作製します。このガイドを装着してインプラントの埋入手術を行うことで、より安全で正確な処置が可能となります。

ガイデットサージェリーをより詳しく知る

身体に負担の少ない治療【医療機器と滅菌体制の充実】

手術時の患者さんの精神的・肉体的負担を軽減するために、超音波骨切削器(ピエゾサージェリー)やサイナスリフト用キットなどの機器を完備しております。これらの機器をうまく活用することで、スムーズに処置を進めることができます。

超音波切削器具をより詳しく知る

また、使用する器具はクラスB滅菌器を用いて確実な滅菌を行うなど、感染予防対策も徹底しております。

感染予防対策をより詳しく知る

インプラント治療のよくある質問

手術が痛そうだけど大丈夫ですか?

局所麻酔をするので痛みは最小限ですみます。普通の治療とほぼ同じと考えてください。手術後の痛みに関しては手術の内容によって異なりますが、通常は手術後1日ぐらい軽い痛みが出る程度です。必要に応じて鎮痛剤を飲んでいただきますので安心してください。

インプラントの寿命は?一生使えますか?

「一生もちます」などと安易に言えませんが、信頼できるインプラントを使用し確実に手術を行えば、かなり長い期間もちます。ただ、お口の清掃状態や噛み合わせが悪かったりすると、インプラント周囲の骨が溶けて、インプラントを支えられなくなります。長くもたせるためには、毎日のホームケアと定期的なメインテナンスが重要です。

インプラントが骨とつかないことはあるのですか?

インプラントが骨と結合して機能する確率は95%以上と言われています。 インプラント埋入時にドリルの摩擦熱で組織を傷つけてしまったり、手術後に感染を起こしたりしなければ心配することはありません。もしも結合していなければ、埋入したインプラントを除去して、新しいインプラントを再び埋入することも可能です。

顎の骨が少なくて、インプラントができないと言われたのですが

再生療法が進歩し、骨が薄くてもインプラントが可能です。骨の幅や高さが不足している場合は、GBR法(骨再生誘導法)を行います。上顎においては、骨の中に上顎洞をいう空間があるため、サイナスリフト・ソケットリフトと呼ばれる上顎洞底挙上術を行い、骨の高さを確保することがあります。

手術には入院が必要なの?

通常の手術であれば入院の必要はありません。手術時間は1時間程度ですし、通院で行えます。

手術後に仕事とかはできますか?

通常の手術であれば、いつもと変わらない生活ができます。食事も手術した部位を使わないように注意していただければ大丈夫です。

金属を埋め込んで体に影響はありませんか?

体に悪影響を及ぼすことはありません。インプラントに使用されるチタンは、人口関節などにも使用され、生体と相性のいい素材ですので安心してください。

インプラント治療の受けられない人はいますか?

顎の骨に放射線治療をした方やビスフォスフォネート系の薬剤を服用している方はできません。また、顎が成長途中の若年者(20才以下)やチタンアレルギーの方もできません。糖尿病や高血圧の方は、医師の指導を受けて血糖値や血圧がコントロールされていれば可能です。

治療費はどのくらいかかりますか?

インプラント治療は、すべて自費治療(保険外診療)です。材料費(インプラント本体と装着する人工歯)、検査代、手術費などを含めた料金になります。 インプラントの本数、装着する人工歯の種類、手術の内容などによって異なりますので、事前にご相談ください。

治療終了後も定期的に通院する必要はありますか?

長く快適に使うためには、定期検診(メインテナンス)は不可欠です。調子が良くなると、メインテナンスが面倒になるかもしれませんが、残った歯もインプラントも長持ちさせるために、メインテナンスは受けてください。

日頃の手入れはどうしたらいいのですか?

丁寧なブラッシングを心掛けてください。通常の歯ブラシで磨きづらいところは、タフトブラシやスーパーフロスなどを使っていただきます。

インプラントの治療例1

1.

左右の前歯にクラウンが装着されていますが、右側の歯の根が割れていまい、歯肉が腫れています。

2.

保存不可能であったため抜歯を行い、インプラントを埋入しました。 術前には、必ずCT撮影を行って骨の形態を確認し、インプラントの位置や長さを決定するので安全です。

3.

インプラントが骨と結合した後に、アバットメントを装着しました。左のクラウンも除去しています。

4.

左右の前歯にオールセラミックスクラウンを装着しました。写真は、2004年にインプラントを行ってから5年半経った状態です。定期的にメインテナンスを行い、インプラントもクラウンも良好な状態です。

インプラントの治療例2

1.

下の奥歯(銀のクラウン)は、根の病気と歯周病を併発していたため抜歯になりました。

2.

抜歯後にインプラントを埋入しました。歯肉の下に埋めた状態で、インプラントと骨が結合するのを待ちます。抜歯した歯の前方の歯には、仮歯(テンポラリークラウン)を装着しました。

3.

インプラントが骨と結合した後に、インプラントと歯のかぶせ物の型取りを行いました。

4.

メタルセラミックスクラウンを装着しました。天然の歯のようにきれいになりました。どこをインプラントで治療したのかわからないと思います。治療後はメインテナンスで健康を保っていきます。

インプラントの治療例3

1.

左右の奥歯を喪失したまま放置してしまったので、一番奥の歯が手前に倒れてしまっており、噛み合わせが悪くなっています。

2.

歯を喪失した部位にインプラントを行うにも、奥歯が倒れてしまっているため、矯正を行って奥歯を起こし、インプラントが適正に埋入できるようにしました。前と比べて、歯のないスペースが広がっているのがわかると思います。

3.

インプラントと奥歯にメタルセラミックスクラウンを装着しました。インプラントと矯正治療を併用することで、噛み合わせが整い、奥歯でしっかり噛めるようになりました。奥歯の噛み合わせをしっかりすることは、前歯のトラブルを起こさないためにも重要です。

インプラントの治療例4

1.

上顎の歯はすべて喪失し、総入れ歯が装着されている状態です。 総入れ歯というのは、外れないようにするために歯肉全体を覆わなくてはなりません。そのため、違和感が大きく、発音や食感が妨げられてしまいます。インプラントを使用することで、入れ歯の形態を改善することができ、快適な入れ歯を作ることも出来ます。

2.

インプラントを4ヵ所に埋入し、その上にキーパーと呼ばれる金属を装着しました。そして、入れ歯の方に磁石を装着し、磁石の力で入れ歯を支えるという考えです。

3.

総入れ歯を装着しました。磁石の力で入れ歯を維持することができるので、歯肉全体を覆わなくてもすみます。これにより、違和感も減って、話したり食事をしたりするのも快適です。

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