記録の重要性 ~歯周組織の変化~
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
長期に亘ってメインテナンスを行い、記録を取っていると、様々な変化に気付きます。
しかしながら、口腔内写真やエックス線写真を定期的に撮影して保存していなければ、以前の状態と現在の状態を比較することはできず、その変化を見過ごしてしまうことになります。
写真は2013年の5月に、「下の前歯の歯肉が腫れて気になる」ということで来院された方です。
口腔内を見ると、下顎の中切歯の歯肉が腫脹しており、歯周組織検査では、歯周ポケットの値が最大で9mmありました。
エックス線写真では、中切歯と側切歯の歯間部の骨吸収が著明です。歯根表面には歯石の沈着も認めます。
プラークや歯石除去を中心とした歯周病の基本治療を行い、下の写真は2014年の時のものですが、歯肉の炎症は改善し、歯周ポケットの値も正常になりました。
ただ、腫脹していた歯肉が引き締まったことで、中切歯と側切歯の歯間部に隙間が認められます。
その後は、今日まで3ヵ月~4ヵ月毎のメインテナンスを行ってきました。
下の写真は2020年3月のものですが、ポケットの再発等もなく良好に維持することができています。
治療から7年が経過し、口腔内写真を見ると、基本治療終了後間もない写真では隙間があった中切歯と側切歯の間の歯肉がクリーピング(上に這い上がる)しており、エックス線写真上では、歯間部の歯槽骨が回復しているように見受けられます。
定期的に記録を取りながら経過を見ていかなければ、このような変化に気付くことはできません。
生体は常に変化しており、それを検証することで、色々と見えてくるものがあると思い、当院では記録をしっかり取るようにしております。
カテゴリー:歯周病治療 ,治療例 投稿日:2021年2月21日